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【書評】長山靖生『「吾輩は猫である」の謎』文春新書

 日本文学史において、無名にして最も著名な猫の目を通して描かれる小説の考察本…というよりは、作品の舞台裏を楽しむための楽屋風エッセイと言って良い。
 物語世界に秘められた、雑多にして膨大な情報を紐解くことで、当時の世相と、そこに生きた人々の息遣いが甦る。
 また、それらによって、漱石の人物像が投影される。
 おそらく、作品の背景や描写の土壌は、同時代の読者こそが、より深く理解しつつ楽しめたのだろうなと思いつつ、猫小説を読み返してみたくなる。



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