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【書評】 浅見雅男『皇族と帝国陸海軍』文春新書

 明治から昭和前期にかけての日本と、昭和20年(1945年)以降の戦後日本とは同じ国とは思えないほどに全く違うと思っていたが、本書の「皇族と帝国陸海軍」を読んで、戦後には無くなった政治勢力としての「宮中」と「陸軍」についてよく理解できた。
 「皇族はなぜ軍人になったのか」や「優遇された宮様たち」を読むと、明治の日本的「王政復古」のもとでの「皇族」と「軍」の関係がよくわかる。
 しかし、これは「高貴であるがゆえの義務」とされたヨーロッパでの「ノブレス・オブリージェ」の日本版でありつつも、様々な配慮を含んだ極めて日本的なシステムに換骨奪胎されているのではないのかとも思えた。
 当時の日本の「国家システム」にそれなりに適合していたのだろうが、「二人の統帥部長」において、実務であるはずの「参謀総長」や「軍令部総長」への皇族の就任の歴史を読み、昭和の軍組織に様々な影響を与えた歴史を知ると、これは、ちょっと無理がある「政治システム」であったのではなかったのかとも思える。
 歴史をよく知るためには、様々な角度からその時代を知ることが必要という意味では、本書は戦前の日本を知る上で興味深いものである。
 とくに目を引いたのが、「昭和の軍と皇族」における「南京事件」「戦争犯罪」についてである。「東京裁判」で「A級戦犯」として絞首刑となった「松井大将」の責任について、「南京事件」で真っ先に責任を問われるべきは傘下軍の司令官であった「上海派遣軍司令官の朝香宮鳩彦王及び第十軍司令官の柳川平助中将」であったというのだ。
 しかし、「柳川平助中将」は敗戦当時戦死しており、「朝香宮鳩彦王」は、昭和天皇を訴追しないというGHQの方針のもと免責された関係上、すべての責任を「松井大将」が背負うことになったとの指摘には瞠目する。 
 そうか、こういう形で日本の「皇族」をめぐるシステムの歪みがあったのか。
 現在の日本には、「皇族」は天皇の家族のみとなり、「宮中」という政治システムもなくなっているために、戦前の「国家体制」とについて想像することさえ難しいと思う。
 本書は、その戦前を知ることができる良書であると思う。



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