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【書評】島村英紀『日本人が知りたい地震の疑問66 地震が多い日本だからこそ 知識の備えも忘れずに! 』サイエンス・アイ新書

この本は東北地方太平洋沖地震のあと、大幅に加筆修正されて「日本人が知りたい巨大地震の疑問50 東北地方太平洋沖地震の原因から首都圏大地震の予測まで」という名前で再販されているようだ。今後読まれる方はそちらを読むべきだと思う。

この本に書かれているのは、地震のメカニズムと地震予知、その他の地震学の試みについてで、基礎的な内容でもあり、震災後に溢れた地震関係の情報に触れていれば、真新しいものは余りないかもしれない。
でも僕は、ほかの地震関係の本と違い、”3.11の前に出ていた”という意味でこの本を改めて評価したい。それはどういうことか。

著者は引っ張っているゴムひもが切れるタイミングや、落としたコップの割れ方を予測することを例に、地震予知の難しさを分かりやすく解説している。そして、海外ではほとんどの国が地震予知を諦めているなかで、日本ではいまだに大臣や族議員まで動員して公的機関の予算の取り合いが続いているのだという。

3.11ののちよく聞かれた「てんでんこ」という言葉。地震がおきたら人のことよりも自分がまず避難を始めなさい。それがほかの人たちの手本となって、全体の避難活動が速やかに行われるのだ。という予備知識が、ほとんどの住民を津波から救った村の話が記憶に新しい。この教訓から見れば震災対策の予算は予知に当てるのではなく、防災教育や耐震のための費用に使うべきであったはずだ。

そしてそれを既得権益側であるはずの地震学者自身が、震災前にすでに明らかにしていることが、この本の画期的なところなのだ。

この本を読んで自分が今までなんとなく抱いてきた違和感の意味がよく分かった。「○○地震は過去、百年に一度起きています。前回起きたのが百年以上前ですから、今後いつ起きてもおかしくはありません。」という文言を僕たちは地震学者のコメントとして何度も聞いてきた。そのとき感じていた違和感。
その説明は、歴史学者や統計学者のいうべきもので、地震学者がいうべきことではないだろうということだ。
地震学者ならば、最近の微細な地震の頻度、火山の活動、活断層の変化などからそれを説明すべきはずだ。それができないということは実際、大地震の発生と計測や観測結果とは関係がない、もしくは関係が分かっていないことを表している。

著者の島村氏は地震予知は不可能だと言い出してから、様々な苦労をなさったようだ。興味のある方は島村英紀でネット検索してみてほしい。問題の根深さがわかるかもしれない。



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