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【書評】 松木 邦裕『パーソナリティ障害の精神分析的アプローチ―病理の理解と分析的対応の実際 (精神分析臨床シリーズ)』金剛出版

つまり、パーソナリティ障害とは
自己と他者との間に空隙(分離)を認知しながらも
そこからくる空虚感や、その空虚感を埋めるものとしての怒りといった情緒を
実感し持ちこたえることができず、
それでも生きるために、いまだ言葉にならない形(主に行動)で自己と他者との関係性の中に
投げかけ、結果的に他者を巻き込むのである。
そして、それが巻き込まれた他者によって受け取られ、
「さむしさ」であり怒りであると移し返されない限り、
情緒を自己の内の”器”の中に葛藤として納めることはできず、
(※行動でしか表せない葛藤も相手が言葉で返してくれることで抱えられる可能性がある。)
統合された自己感覚や他者奸悪を築ききれない傷害であるともいえよう。

逆に言えば、
精神病とは異なって、情緒を未熟ながらも関係性の中に投げ込むことが出来、
他者を情緒的に巻き込むことができるのだと言えるのかもしれない。

それは生きるためであり、また”器”を育てようとする能動性が残っているのだともいえる。



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