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【書評】 I.ザルツバーガー・ウィッテンバーグ『臨床現場に生かすクライン派精神分析―精神分析における洞察と関係性』岩崎学術出版社

本書はクライン派の精神分析に基づいているが,難しい理論から出発するよりも臨床現場から出発し,そこで役立つ理論を提示しようと試みる。著者はビオンから個人分析を受けており,本書にはビオンの理論や着想が水や空気のように染み渡っている。ビオンの理論を日常感覚の中で把握できる稀有な本。

本書は,クライン派の精神分析に基づいていますが,難しい理論から出発するというよりも,イギリスのケースワーカーの臨床現場から出発し,臨床現場で起こることと真に結びつき,それに役立つ理論を提示しようと試みています。わが国の読者の多くは,ケースワーカーと聞くと,心理療法などの心のケアと直接結びつかないと考える方も多いかもしれませんが,本書を一読すれば明らかなように,イギリスにおけるケースワーカーの臨床は,日本の多くの臨床心理士や精神科医の仕事と大いに重なるところがあります。本書は,ケースワーカーはもとより,臨床心理士や精神科医を始め,心のケアに携わる多くの専門家の臨床現場に役立つものと思われます。本書は,生硬な概念を生身の人間や人間関係に当てはめるという,一般に想像されているような精神分析のイメージと程遠いものです。読者は,提示されている事例に,自分自身の臨床の一場面やクライエントの一人や,場合によっては自分自身を見出すでしょう。そして,それに伴う生々しい感情を喚起され,混乱や不安のなかにいる経験が想起されるかもしれません。しかし,本書を読んでいく中で,まるで霧の中から一筋の光が見えてくるように,方向性が見えてきたり,情緒的にどうしようもなくもつれているように見えたものの中に秩序が見えてきたりするかもしれません。本書は,初版以来30年以上も広く読まれ,現在でもタビストック・クリニックの精神分析的心理療法の訓練・研修の読書リストに挙げられています。また,九カ国語以上の外国語にも翻訳されており,イギリスだけではなく,世界の多くの国で読まれているようです。本書は,臨床心理士や精神科医を初め心のケアと関わる多くの臨床家が得ることが多大であるだけでなく,精神分析的心理療法家にとっても学ぶことが多いでしょう。特に,現代精神分析の中心的存在であるウィルフレッド・ビオンから個人分析を受けた著者が書いた本書は,難解なことで知られるビオンの理論や着想がまるで水や空気のように染み渡っており,ビオンの理論を日常の臨床感覚の中で把握できる稀有な本といってよいでしょう。本書が,わが国の多くの臨床家に役立ち,精神分析が心のケアの文化の中核を支えていくのに一役買うことを願います。(「まえがき」より)



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