スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

マルコム・グラッドウェル著、勝間和代訳 『THE NEW YORKER 傑作選1 ケチャップの謎 世界を変えた“ちょっとした発想”』 講談社


 レビュープラス様より、マルコム・グラッドウェル著、勝間和代訳 『THE NEW YORKER 傑作選1 ケチャップの謎 世界を変えた“ちょっとした発想”』(講談社)を献本して頂きました。いつもありがとうございます。 

 本書では、マイナーな世界で大きな活躍を成し遂げた6人の天才達を取り上げ、彼らが他者の追随を許さない成功を収めた舞台裏が描かれている。著者は「はじめに」において、幼い頃、数学者である父親が一体頭の中でどのようなことを考えているのかについて、深い好奇心を覚えたことに触れ、この問題を哲学・心理学上の重要な問題のひとつである“他我問題”「人間は、他者の心や感心をいかにしてしることができるのか」(p.1)として捉える。さらに、この延長線上にある問題として、他者の内面・意識にまつわる問題、「医者であるとはどんな気持ちがするものなのか?」(p.2)という問いを立てる。私は著者の冒頭における文章を読んだ瞬間、心の哲学における代表的な論者の一人トマス・ネーゲルの論文「コウモリであるとはどのようなことか」が心に浮かんだ。ネーゲルは、コウモリを例に、脳の神経生物学的な研究がどれほど進んだとしても、解き明かせない困難な謎として、他者の意識を扱っている。本書の内容はまさに、このような意識の難問を率直に受け止めた上で、地道に、マイナーな世界の天才たちと彼らを取り巻く人々を取材することによって、彼らの意識の内面で起こった出来事を生き生きと浮き彫りにすることに成功している。以下では、最初の三章の内容をご紹介したい。

内容:

第1章「TVショッピングの王様 アメリカのキッチンを征服した男」
 家庭用の優れた「回転式ロスィテリー」(燻製器)を開発し、実演販売人としての天性の才能によって、テレビショッピングで大きな売上を上げるロン・ピエールの半生を描いた物語。著者は、ロン・ポピールを語るにあたって、彼が生を受けた実演販売一族の歴史を紐解く。O・マティックシリーズという大ヒット商品を生み出し、キッチン用品の販売で財を成した父のS・J・ポピールそして、その叔父ネイサン。彼らの実演販売人としての活躍とそのユニークな人生は、主役ロン・ポピールに劣らず興味深い。彼らの実演販売はまず客を楽しませ、惹きつけるエンターテイナーとして始まる、しかし、商品の実力を示す場面では有能なビジネスマンへと早変わりする。その「転回」の見事さについては、是非本書を実際に読んで確かめていただきたい。また、華やかな実演販売の情景とともに、本章で描かれているロン・ポピールを天才たらしめている一面として見逃す事が出来ない点は、その魅力的な商品開発への取り組みだろう。家庭には普及していなかったロスィテリーを自宅で開発し、試行錯誤を繰り返す姿には、人々の夢を実現するというビジネスのもつ大きな楽しみのひとつが体現されている。ロンの自分の欲しいものを作るというスタンスには、アップル社のスティーブ・ジョブスに通じるものを感じた。

第2章「ケチャップの謎 マスタードは十種類以上、なのにケチャップは、なぜ同じ味?」
 マスタードをはじめ、消費者の好みに合わせた商品を数種類用意した方が、多くの売上を得る。著者はこのことを一般化したモスコウィッツの法則について紹介し、多くの調味料がこの法則に従うのに対し、ケチャップだけがなぜ同じ味が好まれるのかを探る。ヘンリー・ジョン・ハインツの作った現在のケチャップが、それ以前のベンゾアート(安息香酸塩)を用いたケチャップを一掃し、主流となっていく過程には、一筋縄では語ることが出来ない調味料の世界の奥深さを感じさせる。

第3章「ブローイング・アップ(吹っ飛び)の経済学 ナシーム・タレブが崩壊的損失の不可避性(ブラックスワン)を投資戦略に転換させるまで」
 『ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質』 の著者として有名なナシーム・タレブが、自身の投資理論を実証するまでの過程を描いた物語。大物投資家として、誰もがその名を知るジョージ・ソロス、ウォーレン・バフェット、彼らの成功が象徴するかのように、ウォールストリートの人々を捕らえる「株の投機には専門技術というべきものが存在する」という原理、それに立ち向かい市場の大暴落を引き起こす不確実な要因(ブラックスワン)を視野に入れた投資法を編み出そうとするタレブが、その成功を手に入れるまでの過程を描いたのが本章である。
 彼の方法とは、オプション取引の買いに資産を投入するという方法である。オプション取引とは、例えば現在の株価(GM株50ドル)だとして、タレブに、三ヶ月以内にGM株45ドルで売るといった契約を結んだ場合、もし株価が45ドル以上であれば売った側が利益を得、45ドル以下であればタレブが利益を得るという取引である。過去の統計をもとに、大幅な値動きがない場合には、オプション取引は売る側に有利であるが、タレブは、市場の大暴落というブラックスワンに賭け、オプション取引の買いへの投資を継続していく。投資の世界の異端児ナシーム・タレブの忍耐強い、一貫した投資が実を結ぶまでを描いた刺激的な一章である。

感想: 出版前のゲラという形で読ませて頂いた為、内容の紹介は第3章までですが、自分とは異なる世界で活躍する天才たちの姿に、引き込まれ一気に最後まで読ませて頂きました。後半も楽しみな一冊です。

 人気ブログランキングへ  にほんブログ村 哲学・思想ブログへ 

↑ ↑ ブログランキングに登録しています。気に入って下さった方は出口がわりにクリックお願い致します!!

関連記事
スポンサーサイト

theme : 本の紹介
genre : 本・雑誌

comment

Secret

FC2カウンター
プロフィール

takemaster2009

Author:takemaster2009
FC2ブログへようこそ!

はじめまして。「爽快!読書空間」管理人のtakemasterです。
このブログでは、書評、映画の紹介を中心に皆様に「小さな感動」をお伝えしています。

ご意見・ご感想などございましたら、こちらにメールして下さい。↓↓↓
takemaster@livedoor.com

なお献本の方も大歓迎です!頂いた本は責任をもってご紹介させて頂きます。ご連絡頂きましたら、折り返し送付先等のメールを送らせて頂きます。よろしくお願い致します。

人気ブログランキングへ
にほんブログ村 哲学・思想ブログへ
にほんブログ村

レビュープラス
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
全記事一覧
最新コメント
最新トラックバック
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
スポンサードリンク
あわせて読みたいブログパーツ
twitter
twitter始めました! フォローお願い致します。
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。