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【書評】エーリッヒ・フロム『精神分析と宗教』東京創元社

『自由からの逃走』で有名なフロムの宗教論。ここでは精神分析家として、宗教に対して高い価値を見出していることが窺い知れる。

といってもすべての宗教に対し評価を与えているのではなく、フロムが評価するのは権威主義的宗教に対立する形での「人道的宗教」である。

ここに含まれていると仮定しているのはいささが興味深いものもあるが(キリスト教を列記しているがカトリックも含んでいるのか?)、しかしそこに通底している考えは、社会への「適応」に留まらないなんらかの真理の探索を提供するというものだ。

フロムは現実社会へ「適応」してしまう器用さに容赦ない。特に最近でいうところの「島宇宙化」したコミュニケーションに対しては「近親相姦的」であるとして、フロイトを援用しながら厳しく批判する。

僕のような、自分と割と似通った人たちと愉しくつるんでいればいいと少なからず考えているような人間にとっては考えさせられるが、一方なんらかの規範、真理、ドグマに依ってしまうことの危険性を踏まえているのが現代人というものである。

そもそも、どうせ島宇宙を形成しようがしまいが、人生のある局面では自分と合わない人と付き合うことのほうが多いんだから、むしろ島宇宙的な土壌を持っていない人のほうが危険だし、それを形成しようと積極的に努力することが果たしてどれほど咎められることなのかと思わないでもない。

それはともかくとして、精神分析の彼の考えは非常に興味深かった。曰く「驚き」を生活に見出す能力を、そして「愛すること」の機能を取り戻させることが、精神分析の根幹であり、それこそが精神分析を浅薄な対処療法でなくさせるものであると。そしてそれは「宗教」の持つ機能と多くのところで共通するものなのだ。

あと個人的には、「愛すること」はともかくとして、「驚き」をもたらすというのは能力開発・加速学習系のトレーニングの重要な要素であり、加速学習というものは宗教から「愛」を奪い去ったものと見なすことも可能なのではないかという着想が得られたことは一定の意味合いがあった。

人間の全体性回復を主軸に考えたものが本書でいうところの「人道的宗教」であり、現代においてそれが否定されたがゆえにその機能がバラバラにされてしまっているのだとしたら。

まさに現代に生きる我々は、世界中を回り船員を仲間に加え、「ワンピース」という究極目標に到達しようしているルフィのような存在者なのかもしれない。



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