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【書評】アルノ・グリューン『人はなぜ憎しみを抱くのか』集英社新書

 憎しみを抱くプロセスを,力動的思考から説いた本。

 Grunは「自分のなかの他者」という存在を仮定する。これは,いわゆる超自我によって排斥された部分。
 幼少期に養育者から否定された自身の自然な感情や欲求を押さえ込むことが,成長してからの他者への憎しみに結びつくという。何故なら,否定された部分を持っている人を肯定するということは,自分の世界とも言える養育者を否定することに繋がるから。そして,「自身への裏切りによって生じた自分のなかの他人と,本来の自分との葛藤が,憎しみの源泉」だという。

 「自分のなかの他者」が根強いのは,この社会で成功するには社会化することが必要とされるから。資本主義に染まらず,自由に自分の感情を発露する人というのは,世間にとっては脅威となるらしい。
 この例がアイヒマン。虐殺行為に関しては「命じられただけ」と述べていた彼が,判決読み上げ時に座ったままでいたことを裁判長に指摘されると,赤面したという。恥を抱くのが,虐殺したことではなく,社会的ルールを守れなかったことに対して。

 「見せかけの自分」を大事にし過ぎることで,基本の部分への思考を放棄することに繋がってしまうことに,Grunは大きな懸念を抱いている。この部分は大いに同意。

 力動論の難しさは,解釈をどのレベルまで適用するか。先天性なことに関しても力動的解釈を放り込むと,全く意味不明な理論が流布してしまう。一方で,環境要因だけの分析では不十分。
 それぞれの限界を意識していきたいなあと思いました。



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