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【書評】小俣和一郎『異常とは何か』講談社現代新書

本書の中心的な論点は、「異常(略)の対概念である正常との関係構造に着目し、正常と異常とは内容的には倒置し得ることと、正常と思われる有り様も、それを過剰に、また極端にまで推し進めれば異常が立ち現われること」にある。そして著者は、異常について考察するに当たって「私がこれまでさして脈絡を気にすることなく携ってきた精神医学の歴史研究(精神医学史)、ナチズム研究、臨床上の治療研究という三者が、本書において計らずも合流している」ことに気付いたという(あとがき)。

著者の『精神医学とナチズム』(講談社現代新書、1997年)はかつて拝読して感銘を受けたし、もちろん今回読了した本書も示唆に富んでいる。しかし、通読して気になったのは、最終章「正常とは何か?」の内容の薄さであった。上述の通り著者は様々な視点から「異常」について考察し、「正常」と「異常」が社会的に規定される相対的概念であることを明らかにしている。しかし、紙幅の関係もあってか核となる社会哲学を展開していないために、結局両概念の社会的規定構造を剔刔できていない印象を受ける。

例えば昼田源四郎『疫病と狐憑き』(みすず書房、1985年)は、現象学的社会学の立場から「正常」の社会的成立機序のみならず「異常」概念の社会的機能にまで言及している。本書もここまで突っ込んで記述してくれていればもっと面白くなっただろうと惜しまれてならない。



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