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【書評】道籏 泰三『1913-14年 ナルシシズム モーセ像 精神分析運動の歴史』岩波書店

主要論文は「ミケランジェロのモーセ像」「精神分析運動の歴史のために」「ナルシシズムの導入に向けて」。
モーセ像の論文には、石版(=精神分析)を頑なに守りつつも離反していく弟子たちを眺め、怒りに震えるフロイト自身が透けて見える。
フロイト自身は(美術に関して)素人だと謙遜するのだが、読む限りは専門外とは到底思えない、綿密な分析に驚嘆した。
あと二つの論文は言わずもがな、……それまでなかなか挑発的に煽り続けたユングに黙秘を貫いていたフロイトがとうとう、重い口を開くどころか一気に爆発させた論文です。
欲動論の更なる発展のためにもユングの指摘はあってしかるべきだったのかもしれない。
道籏泰三(みちはた・たいぞう)氏の「論考」は内容も面白く、学生がお手本にすべき論文でした。序盤でどの視座に立つのかを明示し、守備範囲を明かす作りといい。このレベルの文章が新書で読めればいいのになというのが私の密かな願いです。
少し長いが、フロイト先生のアードラーに対するお怒りがうかがえる一文を最後に抜粋。弟子でなくとも「そこまで言うか」とびびる。P.95より。
「名誉心は、そうでなくともどのみち、それが彼の研究の原動力の一つだろうと推測できるわけだが、それを比較的若い男が正直に告白したとしても、私には何ら咎めるべきものがあるとは思われない。しかし、そうした動機が支配していたとしても、イギリス人が繊細な社会常識でもって<アンフェア>と呼ぶようなものにならないような術は心得ておく必要はあるだろう。<アンフェア>ということを表現するのに、ドイツ人は、はるかに大まかな言葉しか持ち合わせていない。アードラーにとってそれがいかに難しいことだったかは、数多く発せられた了見の狭い悪意の言葉が示している。そして、それが彼の著作を醜いものとしている。他にも難しさを示すものとして、抑えきれない先行発見願望の傾向があり、それが著作の中に露見している。」



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