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【書評】仲正昌樹『ネット時代の反論術』文春新書

 多くの思想関係の著書を持つ仲正氏の本音が覗ける。「相当あちこちで叩かれてるんだろうなぁ」という印象。論客である以上多くの反論があるのは当然なのだが、その相手は議論の作法を弁えている人間とは限らない。そういう人は相手にしなければいいのだろうが、名の知れた知識人ではそうもいかないだろう。こうした事態への対処法も人によっていろいろ。仲正氏の対処ポリシーの一端が本書において理解できる。

 口語の論調も相まって強い皮肉が感じられる。著者の経験談を読むとそうなってしまうのも理解できなくはないが少々感じが悪い。他の著書の内容の印象がよいこともそれに拍車を掛けている。とはいえ、やはり百戦錬磨の論客。議論の技術は熱心にレクチャーしてくれている。「絶対負けない」とはいかないが、提示されている方法を実践したり意識したりすれば、非常に有効かつ具体的な論争のノウハウは身につくだろう。

 思想は人それぞれ。その一つ一つを相手に対して理解してもらうように説明する方法も「人それぞれ」と言いたいところだが、そこには最低限万人共通のルールはあるように思う。それは誰が決めるということではなく、慣習的に「こうするのがよい」というものである。「相手に不快感を与えたって構わない」と言わんばかりの議論をする人間もいるが、それで「相手を説得する」という結果に結びつくはずもない。それともそうした人達は「相手の納得」を望んでいるのではなく、相手を脅迫じみた言論でねじ伏せるということが目的なのだろうか。そういう人は身近にもいるし、テレビなどを見ていても時々目につく。仮にその人の言っていることに一理あったとしても、多くの人達は「従いたい」という気持にはなれないのではないか。「一理あるのに従わないのは論理的ではない」という人も時々見かける。おそらく、そうした人達が相手に求めているのは「理解」ではなく「屈服」なのだろう。

 議論というものは物事を少しでも良い方向に持って行こうとする人間にとって必要不可欠の行為である。結果がどのようになっても、最後は「気持ちいい」状況で完結したい。そうでなければ、議論というものを行う人間がますます減ってしまうように思う。「意見交換は我々がやるから君達は黙っているのがよろしい」と考えている人間もいるのかもしれない。「もっと気楽にお話し合いを」という傾向は贅沢な希望なのだろうか。



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