スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【書評】 河野哲也『エコロジカルな心の哲学―ギブソンの実在論から』勁草書房

脳科学者がテレビや本で「我々の現実は、じつは脳が生み出しているのです」と主張ているのを最近よく目にすることがあると思います。
「じゃあ、暑くて寝ぐるしい夜も、大好きな恋人も、自分の脳の産物なの?」
と疑問に感じることがあるのでしょうか?
そこから、「勉強や就職ができないのは努力が足りないからだ」と、社会や環境の問題をまったく無視して、個人の責任のみを追及する風潮までは一足飛びです(これを心理主義というそうです)。
また成功や名声のみに価値をおいた自己啓発ブーム、社会に適応できないと(社会の問題かもしれないのにもかかわらず)心理的な病理のせいにする傾向もこの心理主義に根をおろしているように思えます。

本書で紹介されているギブソンの生態心理学は、心の座を個人や脳に求めるのではなく、環境との関係性で捉えなおしています。テーマは多岐にわたり、知覚や感覚だけでなく、言語や記憶について環境との関連で論考されていて興味深いです。

「実在は本質に先立つ」と言ったのは、フランスの哲学者サルトルですが、
生態心理学的にいうと、「実在と本質は分かちがたい」というカンジでしょうか。というのも、本質は我々が認識するかどうかにかかわらず、実在そのものに備わっているからです。

なにより生態心理学に惹かれるのは、『現実は主観次第で変わる夢や幻みたいなものなんだ』ではなく、『我々の知覚するモノはしっかりと世界に実在しているんだ』と、日常的な感覚を論理的、科学的な根拠をもって肯定してくれるところです。
本書は哲学的な考察に重点を置いているので、実験心理学者としてのギブソンを知るには不十分かもしれませんが、ギブソンの思想とその現代性を知るには格好の著作だと思います。



管理人のその他のコンテンツ

知的快楽主義者の学習日記
通信制大学、資格取得、e-ラーニングなど管理人が挑戦した学習の記録です。

知的快楽主義者の備忘録Wiki
日々のITエンジニアとしての仕事や勉強の中で役立った知識をまとめています。

 人気ブログランキングへ  にほんブログ村 哲学・思想ブログへ 

↑ ↑ ブログランキングに登録しています。気に入って下さった方は出口がわりにクリックお願い致します!!

関連記事
スポンサーサイト

theme : 読むこと、学ぶこと、生きること
genre : 本・雑誌

comment

Secret

FC2カウンター
プロフィール

takemaster2009

Author:takemaster2009
FC2ブログへようこそ!

はじめまして。「爽快!読書空間」管理人のtakemasterです。
このブログでは、書評、映画の紹介を中心に皆様に「小さな感動」をお伝えしています。

ご意見・ご感想などございましたら、こちらにメールして下さい。↓↓↓
takemaster@livedoor.com

なお献本の方も大歓迎です!頂いた本は責任をもってご紹介させて頂きます。ご連絡頂きましたら、折り返し送付先等のメールを送らせて頂きます。よろしくお願い致します。

人気ブログランキングへ
にほんブログ村 哲学・思想ブログへ
にほんブログ村

レビュープラス
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
全記事一覧
最新コメント
最新トラックバック
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
スポンサードリンク
あわせて読みたいブログパーツ
twitter
twitter始めました! フォローお願い致します。
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。