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【書評】酒井直樹『死産される日本語・日本人 「日本」の歴史―地政的配置』講談社学術文庫

グローバル化がとどめられない勢いをもつ現在、ナショナリズムや自民族中心主義、それが生み出す排外主義が台頭してきている皮肉な現実は、世界中のさまざまな出来事を見ても疑いない。本書は、若き日にアメリカに渡って博士号を取得したあと、本拠地アメリカのみならず、ヨーロッパやアジアを含め、世界中で活躍してきた著者が日本語でものした初めての著書である。
本書の中核をなし、書名にも採用された記念碑的論文「死産される日本語・日本人」で、著者は「日本語」や「日本人」はそれ自体としてあるものではないと説く。かといって、それらは好き勝手に作ることのできる想像の産物でもない。「日本語」や「日本人」が問題になったのは、「近代」という時代になって、それらが国家統合の理念として要請された時だった。そこで要請された「日本語」や「日本人」は「純粋」でなければならず、その「純粋」な存在は『古事記』や『日本書紀』などを素材にして、失われた過去に求められることになった。その「純粋」な存在が現在まで連綿と続いていることを理由に、現在の「日本語」や「日本人」が正当化される。
このような論理は今も至る所に見られるが、一見して分からないほど巧妙なものであることも確かである。その論理を鮮やかに浮かび上がらせた著者は、次のように言う。「国語あるいは国民語の起源をめぐる歴史的問いは、『日本語』そして国民的主体としての『日本人』が、生まれると同時に死んでいた、あるいはすでに喪失されたものとしてしか生まれることができなかった」。今もなされ続けている暴力は、生まれた時にはすでに死んでしまっていたものを根拠にしている、という事実から出発してこそ、世界の悲惨を解決する道も見出されるだろう。刊行当初から幾多の議論を巻き起こしてきた問題の書が、新稿を加えた決定版として学術文庫に登場。



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