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【書評】ジョン.メイナード・ケインズ『お金の改革論』講談社学術文庫

ケインズの「もうひとつの主著」ということらしい。
1924年に刊行されたこの本は、もちろん古すぎて現在の状況にそのまま適用するわけにはいかないのだが、こんにちのマクロ経済学の基本を呈示している部分が多く、勉強になった。
インフレもデフレも、思うにどちらもよくない。どちらも誰かが苦しむことになる。しかし資本主義経済は必然的にごく一部の富者を生み、それよりはるかに多くの貧者を生む。どうとりつくろおうとも、資本主義は、皆の「公平な」幸福を導き出すとは思えない。かといって共産主義は全然よくないので、結局、国家以上の規模の経済なるものが、「悪」としてしか存在し得ないのだという絶望に到達してしまう。
そんな絶望感を噛みしめながら、マクロ経済学の教科書の古典としてこれを読んだ。本当は、もっと最近書かれたほんとうの「教科書」を読んだ方がためになるのだろうが、この古い時代の書物をひもとけば、100年近くも前の「経済」が既に、いかにアンバランスであり、当時の人びとがいかに苦しんできたかといったことを知ることが出来る。



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