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【書評】ダンテ・アリギエリ『神曲 煉獄篇』講談社学術文庫

『地獄篇』は難しいなりにおもしろくも読めたのだけれど、この『煉獄篇』にかんしてはどうも最後まで馴染めなかった。その理由として、そもそも「煉獄」というもののわかりにくさが挙げられると思う。「地獄」や「天国」は学術的にはともかく、一般的な概念としては小学生でも知っているし、キリスト教ではなく仏教の世界にもあるなど、日本にとっては非常に馴染み深い。しかし、煉獄についてはどうか。まず、名称じたいがあまり人口に膾炙していないし、その内容もよくわからない。われわれの根っこにある智識の量にそもそも差があるため、当然理解についても差が出てしまうのである。もちろん、いちおう作中ではちゃんと解説というか言及があって、それを読めばある程度わかる構成にはなっているが、べつに「煉獄」という概念はダンテがオリジナルに創り出したわけでもない。当時キリスト教信者のあいだであたりまえのように共有されていた事柄を、そこまで懇切叮嚀に説明する必要もダンテには本来ないわけであって、その点からも読者にとってはこの『煉獄篇』の理解をいっそう難しいものにしてしまう。だから、『地獄篇』と同様に、つぎつぎと死者が登場してはその罪状などを告白してゆくのだが、なぜ地獄ではなく煉獄なのであろうという疑問はつねに頭のなかに浮かび続ける。誰しもがまったくの清廉潔白のまま命を落とすということはないわけであり、またいっぽうで、どんなに罪深い犯罪者であっても、多少は反省をする。天国や地獄のわかりやすさと比べて、いったいどこまでが煉獄であってどこまでが煉獄ではないのか。こういった点は、すくなくともたんに『煉獄篇』を読むだけではじゅうぶんに摑めなかった。作品としてレヴェルが高いことはたしかであろうが、このように理解が及ばない部分が多くあり、作品を満足に堪能できなかったことは残念であった。



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