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【書評】野家啓一『科学の解釈学』講談社学術文庫

科学は果たして万能か。信仰にも似た科学へ信頼は諸学の隷属化すら招いている。本書は、その対極の反科学主義を排しながら、「科学を御神体として後生大事に抱え込む哲学的傾向に見られるこうした『俗悪さ』に対して反措定を提出」一冊。

科学的知識の現状は「究極の真理」として「聖化」され「知のヒエラルキー」と化している。「科学は人間の自己理解に奉仕すべきものであはあっても、その逆ではない」。科学の自己理解の更新を促す本書は、その権威を解体し、「科学的理性批判」を回復する試みともいえよう。

第一部では、ハンソンの「観察の理論負荷性テーゼ」とクーンの「パラダイム論」を軸に科学哲学の構造転換を論じ、「科学の解釈学」の骨格を明らかにする。第二部では、クワインの「知識の全体論」から、科学主義の逸脱としての「自然化された認識論」への批判を試みる。

第三部では、ハンソンの「観察の理論負荷性テーゼ」の源泉をウィトゲンシュタインの「アスペクト知覚論」に見いだし、その哲学的意義を明らかにする。アスペクト盲から隠喩的想像力と換喩的想像力にヒントを見いだすのは著者ならでは。

初版(新曜社、1993年)からちくま学芸文庫収録(2006年、3論文追加)を経て学術文庫化。「仙台市若林区に住む私自身が、思いがけず『罹災証明書』を交付される被災者の一人となった」と震災を記す(あとがき)。科学の専制から知の共和制へ。刺激的論考に満ちた一冊。



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