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【書評】青木昌彦『比較制度分析序説 経済システムの進化と多元性』講談社学術文庫

新古典派的な経済観で行けば、競争的な市場こそが単一で最適な経済制度であって、それにどう近づけるかが課題で、だから、日本もグローバルスタンダードにあわせるべきだという意見。一方で、そうした姿勢に反対する立場も、そうした経済観をある程度認めたうえで日本の市場は特殊だからという意見だったり、そもそも経済的な視点の外からの反対だったりする。
どちらにせよ、経済制度という観点では最適な市場は一つしかないということは一致してる。

それに対して、この比較制度分析では、日本は特殊だとは見なさないし、だからといって新古典派的な経済制度が唯一の最適解だとも考えない。そもそも経済制度はもっと多元的で、さまざまな形のものが併存可能だと見なしている。だから、日米欧のどの制度も絶対化されず相対的に検討される。

そして、それぞれの制度は、個々の事象が相互に補完しあって全体として一貫した経済システムが出来上がる。だから、ほかの国ではうまくいってるからと言って単純にその部分だけを輸入して自国の制度に組み込もうとしても、それはうまく行かない可能性が高い。元々の制度自体が個々の事象同士の微妙なバランスの上に成り立っている以上、それを一部分でも壊せば全体として機能不全に陥ってしまうかもしれない。

とはいえ、状況が変われば、制度自体もそれに対応できないことには経済はうまく回らなくなってしまう。そのためには、事象同士の相互作用を解明してする必要があると思う。”序説”だしし、10年以上前に出た本ということもあって、この本ではそこまで深くは踏み込めていない。

それでも、日本の経済制度を考える上では気づきの多い本だと思う。普段新古典派的な単一の経済観になれてしまっている頭には相当に新鮮で面白い。青木先生の主催するVCASIもこの比較制度分析の延長上にあるわけだから、10年経った今ではかなりの成果が蓄積されてるはず。そういう成果をもっと知れる機会があればいいんだけど。



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