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【書評】宮谷宣史『アウグスティヌス』講談社学術文庫

今からおよそ1,600年前を生きた古代キリスト教神学者・哲学者の経歴と思想を紹介した本です。パスカルの「パンセ」にも登場し、西洋哲学の概説書には必ずと言っていいほど出てくるこの人物に興味をもったので読んでみました。
前半はアウグスティヌスの生涯と思想遍歴を追った伝記形式、後半は76年の生涯の中で著した作品115点を1つ1つ取り上げて紹介する著作案内。本書全編が実にボリュームがあって、けれども哲学の本にしては分かりやすくまとめられていて、内容の難解さからくる抵抗は読んでいてあまり受けませんでした。
読んでいると、アウグスティヌスの真摯さ、謙虚さといった人柄がとてもよく伝わってきます。欲望と放蕩におぼれた果てにキリスト教に回心したのが32歳。それから10年も経たぬうちにアフリカの司祭に叙任される彼の心境はどのようなものであったか。司祭の打診への返書に書かれた彼の心情や、司祭に就任してから教会に作った修道院の規則などの叙階前後のエピソードは、死の直前まで論争を挑まれ、また各地の聖職者から助言を求められ、それらの1つ1つに丁寧な対応と説得を怠らなかったアウグスティヌスの、悩みさいなまれ続けた全生涯を通した姿を表しているように思えるのです。
そして彼の思想を目にしたとき、後世の多くの哲学者や思想家に影響を及ぼし、足跡を刻みこんだことに驚きました。アウグスティヌスの愛を説く姿や恩恵論はパスカルの思想を、神と人間との関係性を思索する姿はデカルトとの共通点を、そして、三位一体の神の相似形として描かれる人間の内面構造はフッサールの時間意識論を、それぞれ彷彿とさせます。「西洋哲学史」を読んで頭に浮かんだ、「思想」が「本質」の周りをらせんを描きつつ天へと向かうというイメージが、またしても頭をよぎります。人間ははるか昔から同じ主題を同じように考え、けれども少しずつ異なったものに体系づけている。そんな気がしてなりません。
著者の文体は簡素で少し癖のあるものですが、それは決して読みの邪魔にはならず、良い味を出してくれています。巻末の文献案内には邦訳された著作も紹介されていて、参考になります。



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