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【書評】 長谷川博隆『カエサル』講談社学術文庫

歴史上屈指の名将にして、国家体制を覆した大政治家であり、文筆家としての名声も第一線級。おまけに、一国の国庫にも匹敵する借金をした大借金王でもあり、色恋沙汰でも流した浮名は数知れない。そんな人物はカエサルを置いて他にはいないだろう。
本書は、主としてカエサルの政治家としての側面を取り上げる。カエサルの政治活動を貫く原理は、領土とローマ市民権の拡大に伴うローマ共和政(実質的には貴族による寡頭制)の行き詰まりを、一人の人間への権力集中によって打破することである。注意すべきは、ローマには専制君主の横暴を打破して元老院による共和制を打ち立てたという過去があり、カエサルの目指す方向が、ローマ貴族社会に通底する共和政の伝統と矛盾するという点である。この点を読み違えると、キケロやカトーが単なる抵抗勢力のように見えてくる。そういった経緯もあり、政治家カエサルの評価は人や時代によって様々分かれるが、本書のスタンスは、「ローマ共和制の統治機構としての限界に自覚的だった数少ない大政治家」という好意的なものである。好意的ではあるが、無条件の賛美を与えるものではないので、ローマの歴史をまじめに知りたい人にとっては、面白い本だと思う。ただ、カエサルのもうひとつの魅力である将軍としての采配については殆ど記述がなく、最も有名な彼の著作である「ガリア戦記」についても、その政治的意義を論じるのみであるので、カエサルの魅力的な英雄譚を望む読者は、少々肩すかしをくらうかもしれない。それでも読み物としてはなかなか面白いです。



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