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【書評】河合雅雄『子どもと自然』岩波新書

自然人類学の観点からサルの生態についての研究成果を解説し、そこで得られた知見をもとに人間の文化的行動、とくに子どもたちの教育についての著者自身の考えが語られています。

あくまでエッセイとして読むべきなのでしょうが、やはり自然科学的な観点からのサルの生態の記述と、文明批評的な言説との間にギャップを感じてしまいます。むろん著者は、単純に両者を混同して論じているわけではなく、たとえばサルの群れの中にインセストの回避という行動が見られることと、人間社会には「インセスト・タブー」が存在することを区別して、人間がみずからの文化的・社会的行動に規範性を付与していることに注意を払ってはいます。しかし著者がおこなっている議論をじっさいに見てみると、やや勇み足がすぎるのではないかと感じてしまうのも事実です。



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