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【書評】三浦つとむ『日本語はどういう言語か』講談社学術文庫

 三浦つとむの言語論。時枝誠記の言語過程論を敷衍した三浦言語論である。言語の特徴として、意味があるが、三浦は「意義」と「意味」を腑分けして論じている。通常、意義に重きを置く言語論は、意味を履き違えて論じている。三浦の「意味」は、「音声や文字には、その背後に存在した対象から認識への複雑な過程的構造が関係付けられているわけで、このようにして音声や文字の種類に結びつき固定された客観的な関係を言語の意味とよんでいるのです。」(p44)とあるように、意味とは「対象から認識への複雑な過程的構造が音声や文字に眼に見えない関係で結びついているところに、言語表現の内容を見、「意味の存在を認めるのが、本当の言語過程説である。」聞き手や読者は音声や文字に接し、背後にある関係を逆にたどって、話し手や作者の認識をとらえようとする。これが意味の理解である。■対象ー認識ー表現の過程的構造を見極めることが、言語論だと三浦は述べているわけだ。■三浦の理論には学ぶべきところが多々あるが、認識論としての観念的自己分裂は、過去へ観念的に分裂し、そこの現場に自らがいるという想定の下に、過去の自分を振り返ること駕できる。つまり過去についての想念が生まれる。哲学的な認識論は、この観念的自己分裂による間接的に振り返るという認識論を知る限りにおいて見かけたことがない。その点でも、三浦は秀逸なのである。■3章から5章では日本語の文法構造が扱われているが、メモ書きとして現すと、名詞は対象の実体を、たとえそれが物質的なものであれ、頭の中の観念的なものであれ、現す品詞であり、実体の静的な属性を捉えた品詞を、形容詞とする。そして、形容動詞は、三浦は存在しないとする。静的な属性を現す形容詞と助動詞が合体したものである。この見方は大いに説得力がある。活用のない形容詞と活用のある形容詞的な内容の語を<静詞>とよぶべきだとしている。■助詞の「は」と「が」の区別。おそらく三浦ほど認識から説得的な品詞分解をしている文法学者はいないだろうと思わせる説得的な論理展開である。<副助詞>と<係助詞>、<接続助詞>と<終助詞>、<助動詞>に認識構造など、示唆に富みまた、納得のいく論理が展開されている。言語の理論や、文法を語るなら、ソシュールだけではなく三浦の言語過程説を深く検討されるべきだと言語学研究者には要求したい。■なお、三浦はマルクス主義者であったが、1960年代に、「レーニンから疑え」で、レーニンの「国家と革命」の理論的欠陥を理論的に指摘。そして、ソビエトの理論的虚妄性指摘していたのである。また、同時に、毛沢東の「矛盾論」の間違いを敵対的矛盾と非敵対的矛盾の相違を理論的にとき、「文化革命」虚妄性を指摘していたのである。彼が、夜間高校中退であることも、彼の人となりを偲ぶよすがとしても付け足しておこう。



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