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【書評】梅棹忠夫『狩猟と遊牧の世界―自然社会の進化』講談社学術文庫

狩猟、遊牧、農耕といった生活形式が、人類史の中でどのようにして生まれてきたのかという問題に取り組んだ本です。

著者は、人類の生活様式を進化論的な観点から考察しようとします。ただし本書がめざしているのは、生物学の進化論を用いて人類社会の発展を説明することではありません。狩猟民族も遊牧民族も農耕民族も、形態的な差異はほとんどないに等しいのに、人類の生み出した文明の形は多様を極めています。著者がめざすのは、こうした人類社会の多様な発展を説明できるような、いっそう包括的な進化論です。そこには、今西進化論から著者が継承した問題意識が息づいているように思います。

本書では、人類社会の進歩を単線的なものとして描き出したモルガン=エンゲルス理論が批判されています。人類史の大きなヴィジョンとして、(1) 自然社会、(2) 農業社会、(3) 産業社会という段階が見られることは事実ですが、自然社会から農業社会への発展を普遍的尺度に則った進化として理解するべきではないというのが、著者の立場です。

著者は、アフリカ、ヨーロッパ、アジアの旧大陸を、ツンドラ、ステップ、砂漠(オアシスを含む)、サバンナという4つの類型に分けて、ステップでは北方から入ってきた狩猟民族が遊牧生活を営むようになったのに対して、砂漠・オアシスでは農耕民の一部が家畜を伴ってオアシスの周辺部で遊牧生活を始めたのではないかという推測を述べています。人類は、さまざまな生態学的環境の中で多様な社会形態を作り上げてきたのであり、それゆえ人類史は複線的なものとして描かれるべきだというのが、著者の主張です。

200ページに満たない小さな本ではあるものの、人類社会の進化史という壮大なヴィジョンを描き出そうとする著者の雄渾な構想力が、存分に発揮されているように思います。



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