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シャンナ・スウェンドソン 『おせっかいなゴッドマザー』 (創元推理文庫)を献本して頂きました。


おせっかいなゴッドマザー
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書評/SF&ファンタジー
  東京創元社様より、シャンナ・スウェンドソン著、今泉敦子訳 『おせっかいなゴッドマザー―(株)魔法製作所』 (創元推理文庫) を献本して頂きました。ありがとうございます。

あらすじ: ケイティ(キャスリーン)・チャンドラーは、恋人オーウェン・パーマーとついにデートにこぎつけるが、そこにフェアリーゴットマザーことエセリンダが登場し、自体は思わぬ方法へ。ケイティとオーウェンの波乱の恋が続く一方、株式会社魔法制作所、通称(株)MSIに新たな敵が現れる。(株)魔法制作所シリーズの第三弾。

レビュー: ハリー・ポッターばりの魔法ファンタジーと有川浩風の甘いラブロマンスの融合という感じの小説でした。(株)魔法制作所シリーズの第三弾ということですが、本作をはじめて読んで、魔法使いに会社組織があったりと結構楽しく読めました。若干、ケイティの恋愛観が幼すぎるのではないかと感じる部分が多かった気がしますが、奥手なカップルの恋として考えれば、許容できる範囲だと思います。創元推理文庫の小説としては、謎解き要素も複雑ではなく、手軽に安心して読める点もお勧め出来る作品です。今後の続編も楽しみです。

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朱野帰子 『マタタビ潔子の猫魂』 (ダ・ヴィンチブックス)を献本して頂きました。


マタタビ潔子の猫魂(ねこだま)
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書評/
  株式会社メディアファクトリー様より、朱野帰子 『マタタビ潔子の猫魂(ねこだま)』 (ダ・ヴィンチブックス) を献本して頂きました。ありがとうございます。

あらすじ: 主人公田万川潔子は、派遣社員として働く28歳の地味なOL、会社では他人の目線が気になり、自分の意見を言うこともままならない潔子は、家に帰れば胡散臭い占い師天道辛彦の怪しい格言で自分をごまかす日々を送っている。そんな彼女の飼い猫メロの正体は、聖武天皇の頃から1200年、憑き物として田万川家の女性たちに仕えてきた猫魂、吉備唐万侶だった。強力なマタタビ一族の末裔としての力は、見る影もない潔子だが、メロの力を借りて、食欲旺盛で割り勘好きの先輩鬼桐ひとみ(オニヒトデ)、清潔好きで潔癖な正社員御手洗タクマ(アライグマ)、子持ちで結婚以外の価値を認めない潔子の同級生西浦英子(セイヨウタンポポ)、容姿に優れ男性社員からの人気抜群だが、潔子への嫌味を繰り返す二年下の後輩崖板ナナ(フェレット)の退治に乗り出すことになる。

レビュー: ダメOLの潔子の悲しみ、苦しみ、妬み、恨みが頂点に達すると憑き物の猫魂の憑依が可能になるという奇想天外な設定のもと、よくいる我儘な先輩、無茶な命令をする上司、自分の価値観を押し付ける友人、嫌味な後輩に憑いた憑き物退治が行われる妖怪退治モノです。最後まで意気地の直らない潔子にもどかしさを感じつつ、しっかり者、というよりオジさんのような猫魂の活躍が対照的でした。ラストに明らかになる占い師天道辛彦の正体、外来種やペットを捨てる問題に対する警鐘など、本筋以外の要素もなかなか面白かったです。また一話完結で手軽に読める点も良かったです。是非、続編を期待したい小説です。

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ピエール・シニアック 『ウサギ料理は殺しの味』 (創元推理文庫)を献本して頂きました。


ウサギ料理は殺しの味
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書評/ミステリ・サスペンス
  東京創元社様より、ピエール・シニアック著、藤田宜永訳 『ウサギ料理は殺しの味』 (創元推理文庫) を献本して頂きました。ありがとうございます。

あらすじ: 元刑事セブラン・シャンフィエは、捜査中におきた銃撃戦で、暴力団担当の同僚を誤って射殺してしまい、“セックス・マニア”と呼ばれるほどの勤務態度の悪さもあり、警察をクビになり、現在は探偵として、失踪人の捜索の為に、車を走らせていた。しかし、フランス西部のとある田舎町で車が故障し、修理の為に五日間この街に滞在する羽目になる。街には、ガストン・カントワゾーが経営するレストラン「オ・トロワ・クトー」、リュシエンヌ・エシュドゥアンの経営する「レストラン・ド・ラ・ガール」。そしてバルボプールの経営する娼館、流行品店、高級食料品店、文化センターなどがあり、賑やかな雰囲気が漂っていたが、そんな中、毎週木曜日に連続して二件の若い女性が殺される事件が発生していた。探偵をクビになったシャンフィエは、この事件を解決し手柄を立てるべく、独自の捜査をはじめる。毎週木曜日に、「狩人風ウサギ料理」を出すカトワンゾーに届いた謎の脅迫状、スキンヘッドの娼婦ヨランドの奇妙な行動から、真犯人の解明、そして事件の解決が行われたかに見えたが、数週間後、再び木曜日に殺人事件が発生する。

レビュー: 読み終わってみると非常に不思議な小説でした。毎週木曜日にカトワンゾーが「オ・トロワ・クトー」で客にふるまう「狩人風ウサギ料理」と若い女ばかりが殺される連続殺人事件。一見まったく関係なさそうな二つの出来事をつなぎあわせる中盤の謎解きまでは、推理小説の世界、後半の新たな殺人事件はブラックユーモアの世界が広がっており、なんとも不思議な感じのミステリーです。

 この本がこういった性格をもつ一つの理由として私が感じたのは、この作品には名探偵の不在であるという点です。一応の探偵役であるシャンフィエは、あらすじにも書いたようにかなりいい加減な人物であり、さらに重要な場面で重傷を負ってしまうというかなりのドジです。彼の活躍次第では後半の事件が起こらなことを考えると、この探偵の不在は大きいような気がします。

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嫁が観た『2ルーム』

 男2人と女1人の三角関係を描いたサスペンスミステリーです。
 題のとおり、女が浮気のために来たホテルに旦那もあとをつけて女が宿泊している目の前の部屋にチェックイン。この2つの部屋で物語は進行します。女の部屋には彼女が呼び出した旦那の友人がいて・・・そこから息を殺すような緊迫したやりとりが繰り広げられます。
 
 この映画で一番恐ろしいと思ったのは旦那の嫁に対する執着心。
 確かに、誰でも浮気されたらブチ切れするし、浮気相手を殺したくもなると思います。でも、彼の雰囲気は本気でヤバイ感じがしました。女の嫉妬も恐ろしいですが、男も結構リアルに恐ろしいなと思いました。

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映画 『2ROOMS(トゥー・ルームス)』

★★★★★

 アレックス・マーキン監督・脚本作品、劇場未公開。

あらすじ: 婚約者ジェーン(ブリタニー・マーフィー)の浮気を疑ったテリー(ダニー・ピノ)は、ジェーンが浮気相手と宿泊しているリバービューホテルの向かいの部屋に、銃を持って張り込んでいる。テリーは親友のジュリアン(マイク・ヴォーゲル)と電話を掛けると、ジュリアンはあるホテルの一室で風呂につかっていた。

 テリー、ジェーン、ジュリアン、そしてホテルのポーター(ブラッド・グリーンクイスト)を巻き込んで進行する物語は、意外な真実を明らかにする。本格サスペンス。

レビュー: 浮気、親友、殺人、複雑に絡み合った登場人物たちの関係、そして携帯電話、ジュリアン所有のリボルバー銃などの小道具が、巧みな時系列の構成によって効果的に役を果たしている作品です。仲間に仕事を押し付けられ1人で仕事をこなすポーターが、ラストで意外な役割を果たしているのも面白かったです。

 テリーの復讐が少し、意外性と恐怖に欠けるものの、全体として見ると完成度の高いサスペンスでした。

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嫁が観た『スラムドッグミリオネア』

 スラム出身で教育を受けていない主人公ジャマールが人気番組“クイズミリオネア”に出演し、初恋の相手・ラティカを見つけ出すというお話。
 最初は、ジャマールもお母さん・お兄ちゃんのサマーンの3人暮らしをしていて貧しいながらも幸福な生活をしていたのですが、ある日、民族間の争いに巻き込まれ、母親を目の前で殺されてしまいます。孤児となってしまった2人の兄弟の前に同じ境遇のラティカが現れ、ともに行動することになります。その後、3人はゴミ集積場などで本当に“ただ生きているだけ”の日々を送るのですが、そこにママンという人買い(?)が現れて食事や衣服を与えてくれます。3人は「彼はきっと聖人だ」と思いますが、同じ境遇の子が歌を仕込まれ、目を潰される光景をみた兄は同じ目にあいそうなる弟を助けるために一計を案じ、ママンのもとから逃亡をはかります。それを見ていたラティカも一緒に逃げようと必死にふたりを追いかけますが、最後の最後、電車に乗り込んだ兄の手をつかまえたラティカですが、兄はその手を振りほどきます。兄にとっては弟が大事でラティカは足手まといだったのだろうと私は思います。
 ラティカと離れ離れになり意気消沈していたジャマールですが、生きていくためにはいちいち凹んだままではいられません。
 盗めるものは盗み、だませるものは騙して、とにかく生きることだけで精一杯の日々。ジャマールは真面目に働いて全うに生きることを望みますが、兄は一攫千金大穴狙いの危ない橋を渡るほうを選び最終的に兄弟は決別します。数年たって、ジャマールはコールセンターのアシスタントという職につき、兄はギャングの手下になっていました。
 そして、初恋のラティカはそのギャングの女・・・逃げようにも逃げられないそんな状況で彼女は“クイズミリオネア”を見ながら人生のチャンスを待ち望んでいました。
 ジャマールは職場のコールセンターから兄の電話番号を見つけ、再会することになり、そこからラティカの居場所をみつけだします。食器洗浄機と自分のことを偽り、ラティカと再会をはたしたジャマールですが、ラティカは「二度と私の前に現れるな」と警告します。それでもあきらめないジャマール。彼女の大好きな番組に出演することによってなんとかまた会おうとするのです。そして、彼はその番組でなぜか次々と答えを言い当ててしまいます。スラム出身でろくに教育も受けていない彼がどんどん正解するのをみて、不正が行われているのでは?と勘ぐる輩も出てきます。とうとう警察に捕まえられたジャマールはなぜ正解がわかったのかを聞かれ、自分の人生を振り返っていきます。
 答えは今まで生きてきた中にすべてあった。
 
 日本でも人気を博した“クイズミリオネア”。
 座ってクイズに答えるだけでお金持ちになれるという夢の番組は一般市民の希望ですよね。私も本当に挑戦したいと思ったことが何度もありましたw
 最低最悪の状況からでも、あきらめない心をもって全力で生きていけば最後はきっといいことづくめっていう感じの希望にあふれる映画です!

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映画 『スラムドッグ$ミリオネア』 (原題:Slumdog Millionaire)

★★★★★

 ヴィカス・スワラップによる小説『ぼくと1ルピーの神様』 (ランダムハウス講談社)を映画化した作品。ダニー・ボイル監督、2009年日本公開作品。

あらすじ: インドの大都市ムンバイにあるスラムで育ち、18歳になった現在は電話オペレータのお茶汲みとして働くジャマール・マリク(デーヴ・パテール)は、ある日最高賞金2000万ルピーの人気クイズ番組『クイズ$ミリオネア』に出場する。ジャマールは連続正解を続けついに、1000万ルピーを獲得する。2000万への挑戦を明日へと持ち越し、一端その日の収録を終えたジャマールだが、番組司会者の通報により、警察の過酷な取り調べを受けることになる。医者や弁護士といった高学歴の持ち主ですら到達できなかった1000万ルピーに、一切の教育を受けていないジャマールが到達したことに、詐欺の容疑がかけられる中、ジャマールは自分の歩んできた人生、そしてその中にクイズの答えが含まれていたことを告白しはじめる。

 イスラム教徒としての迫害を受け、幼い頃に母親を殺されたジャマールは、兄のサリーム(マドゥル・ミッタル)、同じく孤児の少女ラティカ(フリーダ・ピントー)と共に生活をはじめる。ある日三人は、ママンという男に拾われ、住居と食事を与えられるようになる。昼間は街頭に立ち、歌を歌い物乞いをする生活が続く中、ママンがギャングとして、子供たちの両目を焼いているこを知ったサリームは、ジャマールと共に逃走をはかるが、その途中ラティカを置き去りにしてきてしまう。

 数年後、列車の中で食品を売り、観光地で観光案内を引き受けたりしながら、なんとか生き延びたジャマールとサリームは、ラティカを探しに再びムンバイへと戻る。そして、ラティカが売春宿に売られそうになっていることをつきとめた二人は、ついにラティカを救出することに成功するが、逃走の途中サリームはママンを殺害してしまう。さらにサリームは違うギャングへの保護を求める為に、ラティカを奪い去ってしまう。

 そして電話オペレータのお茶汲みの合間に、サリームとラティカのその後を突き止めたジャマールは、ラティカをギャングから奪い返すために、『クイズ$ミリオネア』に出場することを決意する。

レビュー: 日本人には馴染みの深い、『クイズ$ミリオネア』の舞台をインドに移し、貧しいスラムで育ったジャマールが2000万ルピーをつかみ、長年の恋人ラティカと再会するまでを描いた本作ですが、過酷な環境の中で、ジャマールが経験してきた知識ひとつひとつが、クイズの答えに結びついているというストーリー展開は見事でした。

 ジャマールが歩んできた人生の波乱万丈さも印象に残りましたが、『クイズ$ミリオネア』で一般人が答えることも出来ないような問題に答える出演者はいったい今までどのような人生を歩んできたのだろうというような疑問を起こさせるような内容でした。若干物足りなかったのは、『クイズ$ミリオネア』の司会者がジャマールを脱落させる為に、あの手この手と策略を巡らせるものの、番組内でジャマールに心理的な不安を覚えさせるような駆け引きがあまりなかったことです。本家みのもんたに負けない、駆け引きが見たかったです。

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ヘレン・マクロイ 『殺す者と殺される者』 (創元推理文庫)を献本して頂きました。


殺す者と殺される者
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書評/ミステリ・サスペンス
  東京創元社様より、ヘレン・マクロイ著、務台夏子訳 『殺す者と殺される者』 (創元推理文庫) を献本して頂きました。ありがとうございます。

あらすじ: 両親を交通事故で亡くし、大学で心理学を教える教員となった26歳のヘンリー(ハリー)・ディーンは、ハワイで暮らすおじの遺言により、莫大な遺産を相続したことを機に、大学を辞め、母親の故郷バージニア洲のクリアウォーターへと移り住むことを決意する。ハリーはかつての恋人シーリアの近況を知るため、新聞記者をしている年上の従兄弟レックス・マクリーンのもとを訪れるが、そこでシーリアがサイモン・スロールと結婚したことを知らされる。ハリーはその事実にショックを受けながらも、シーリアの父であり、現在は警察本部長のユージン・アラバン判事から旧家を譲り受け、クリアウォーターでの生活を始める。ある日、ハリーの運転免許証が紛失し、その免許証による小切手換金事件が発生する。町を徘徊する不審な男の存在が目撃されたことから、犯人はその男であると推測される。そんなある日、シーリアが不審者と間違えて夫サイモンを射殺する事件が発生する。

レビュー: 「図書館は自伝をフィクションとして分類すべきだ」という冒頭の一文が象徴するかのように、本書は主人公ハリーの記憶上の出来事と他の人々の記憶の奇妙なズレ、深層心理の謎を巧みに用いたミステリー小説です。ハリーの身の回りで起きた不可解な出来事の真相が明らかになる後半の謎解きからは、深いカタルシスが得られます。特に、冒頭では予想もしていなかった結末の意外さには驚かされます。人間は他人の心に対する理解以上に、自分自身の心を理解出来ていない。そんな心の謎を最高のミステリーに仕立て上げた傑作です。

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映画 『イキガミ』

★★★★★

 間瀬元朗による同名コミックの映画化作品、監督・瀧本智行、2008年公開。

あらすじ: 国民に生命の価値を再認識させることを目的とした法律「国家繁栄維持法」。この法律により、全国民は小学校入学時に注射を施され、そのうち0.1%、1000人に1人は体内に注入されたナノマシンにより、18~24歳までの間に死を迎える。

 主人公・藤本賢吾(松田翔太)は、無事25歳を迎え、厚生保健省の職員として、「国家繁栄維持法」により死ぬことが決まった人物に、死亡時刻の24時間前にそれを通知する死亡予告証、通称イキガミ(逝紙)を届ける配達人になる。

 藤本がイキガミを届けることになるのは、売り出し中のミュージシャンとして、テレビ初登場・生放送を直前に控えた田辺翼(金井勇太)、「国家繁栄維持法」を推進する国会議員・滝沢和子(風吹ジュン)の息子で引きこもりの滝沢直樹(佐野和真)、そして幼い頃の交通事故で両親と視力を失った少女・飯塚さくら(成海璃子)の兄・飯塚さとし(山田孝之)。藤本は、余命24時間の彼らの為に何が出来るのか。

レビュー: 1000人に1人が18~24歳までに死ぬ「国家繁栄維持法」、生命の価値の再認識、犯罪率の低下、出産率の上昇といった効果があるそうですが、『バトル・ロワイヤル』のBL法並みに理不尽な法律です(笑)。本作は、イキガミ配達人の藤本が、担当となった3人の青年の最後を見取り、彼らの為に奮闘するという内容なのですが、最後に一瞬臭わせた、「国家繁栄維持法」への怒りとこの法律を無くすための闘いの様子も是非見てみたいです。続編に期待しています。

 物語冒頭に登場し、恋人を「国家繁栄維持法」に奪われたことから、批判を露わにし、思想犯として捕まった島田(劇団ひとり)が今後どう関わってくるのかも楽しみです。

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嫁が観た『イキガミ』

 現代の日本に“国家繁栄法”なる法律が制定され、14~24歳の若者が“国家繁栄”の名の下にある日突然「死」を宣告されるというお話。その死亡者の選定は6歳の小学校入学式における予防接種で決まり、その確立は1000分の1。私の通っていた小学校が全校生徒合わせて900名あまりだったので、同じ小学校に通っていた子が1人その運命にあるかないかといったくらい。現実ではまずありえない・・・というよりあって欲しくない設定です。でも、この映画の中でちょこちょこ出てくるキーワードの「命の尊さを認識し生きていく」ということに関しては、こういった設定でもない限りといったら極言ですが、命の淵に立った人でもない限り難しいのではないかと感じました。
 死亡者には「死亡予告書」(通称「イキガミ」)が政府役人の手によって届けられるシステムになっており、この世の最後の一日を有意義に過ごしてもらうために、交通費・食費など一切が無料という待遇のほかに、遺族には遺族年金が残されることになっています。
 「イキガミ」配達人を松田翔太が演じています。彼は「イキガミ」を配達する先々でそれぞれの若者の生き様をみて、苦悩しながら毎日を過ごしていきます。自棄を起こして犯罪を犯してしまう人もいれば本当に誰かのために人生を全うしようとしている人もいて・・・
 彼が死亡者やその家族に対して生きているうちに「心よりご冥福をお祈りいたします」というのがとても印象的でした。普通に暮らしてて、まず生きている人には言わない言葉ですからね。
 「死」をテーマにしている映画のようにみえますが、その実、いかに充実した「生」を生きるかをテーマにしているように感じました。
 もし、私が「イキガミ」を受け取ったら、とりあえず実家帰って温泉行ってヨーロッパの観光地めぐって・・・・一日では無理か。とにかく家族といっぱい思い出を作ってからいきたいですね。といっても私は25歳。もう「イキガミ」がくることもないのですけど。

 明日があなたにとって最後の一日となるとしたら・・・あなたはその一日をどう過ごしますか?

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はじめまして。「爽快!読書空間」管理人のtakemasterです。
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