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中沢新一・波多野一郎 『イカの哲学』 集英社新書

★★★★★
 第二次大戦中、特攻隊に志願しながら生き残り、シベリア抑留とそこでの共産主義教育、戦後にアメリカ留学を通してプラグマティズム思想を学び、若くして逝った哲学者波多野一郎が遺した『イカの哲学』。
 アメリカ留学中に、バイト先の魚市場で、毎日何千ものイカ達と向き合う中で育まれた波多野の哲学は、機械的に捕獲され、消費されていくイカ達の姿と国家機構の中で戦争に駆り出されていった多くの若者達を重ね合わせ、イカの実存(現実に個々のイカが持っていた生活、欲求)に気づくことで、自分たち人間に、他者の実存への気遣いを取り戻させようというものである。
 中沢は、近代戦争がそれ以前の「戦争」が持っていた、相手に対する敬意や生の意味を発見する場としての在り方を持たない「超戦争」へと突入したという理解のもとに、波多野の哲学を、理性レベルの「平和」から個々の人間、生物の存在を基盤においた「超平和」について考えさせるものだと捉えている。
 「イカの哲学」はもちろん平和を考える哲学としても魅力的ですが、なんといっても、個々のイカ達へと向かう、著者のまなざしの持つ優しさに、心打たれます。
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theme : 哲学/倫理学
genre : 学問・文化・芸術

カズオ・イシグロ 『日の名残り』 早川書房

★★★☆☆
 英国の名士ダーリントンに仕えてきた執事のスティーブンスは、アメリカ人の新しい主人ファラディから、休暇を貰い、英国各地を旅行する。
 かつての女中頭ミス・ケントンや、かつての主人ダーリントンとの思い出を振り返りながら、次第に、自らが理想とし、追い求めてきた執事像が疑問とされていく、スティーブンスの内面描写には、思わず引き込まれる。
 尊敬してきたダーリントンが、愚鈍なナチ協力者に過ぎず、ミス・ケントンが自分に向けていた恋情に対しても、真剣に向き合うことの無かった自分の姿に気づいたスティーブンスが涙を流し、新しい主人の為にジョークの練習をしようと新たな決意のもと帰路につくラストシーンは感動的です。

theme : 本の紹介
genre : 小説・文学

築山節 『脳が冴える15の習慣』 生活人新書

★★★★☆
 最近、記憶力が低下した、思考力が低いなどの不安を、職場や家庭で感じる人も多いと思います。
 本書は、今日から実践できる簡単な15の習慣を取り上げ、記憶・集中・思考力の向上について解説しています。
 対人能力や日常生活のメリハリを取り戻し、突発的なトラブルや忙しさにも負けない力を身につける上で、役に立つ習慣ばかりです。

theme : 本の紹介
genre : 小説・文学

蓮見圭一 『かなしぃ。』 新潮文庫

★★★☆☆
 表題作「かなしぃ。」をはじめ六篇の短編をおさめた短編集。
三十歳の主人公は、友人の結婚式に出席する為、帰郷する。高校時代の友人たちとの再会を果たし、かつての日々に思いを馳せるにつれ、自殺した友人愛川の謎の遺書やかつて心惹かれた上原加代子のその後を思う主人公だが・・・
 加代子との再会と相川の遺書の関係が明らかになったとき、表題の意味も明らかになります。「かなしぃ。」不思議です。

theme : 本の紹介
genre : 小説・文学

池上彰 『伝える力』 PHPビジネス新書

★★★★☆
 NHK『週刊こどもニュース』の司会(お父さん役)で、日々のニュースを子供にも理解出来るよう解説してきた著者が、自らの経験をもとに、人に自分の考えを伝えるとはどういうことなのかを、ビジネスパーソンを中心とする読者に向けて書いた一冊。
 良い聞き手、話し手、書き手になる為の技術や心構えなど著者の実践してきた事柄が、明快な表現で語られています。
 また、著者自身の誠実な人柄も窺われ、人間として教わる部分も大きいです。

theme : 本の紹介
genre : 小説・文学

蓮見圭一 『ラジオ・エチオピア』 文春文庫

★★★★☆
 2002年のワールドカップをひかえたある日、作家である主人公は、知性と情熱を兼ね備えた、はるかと知り合う。妻子を持ちながらも、はるかに惹かれ続ける主人公は、彼女との情事を通じて、彼女の真実を知ることになる。慎重に、密会を続ける二人だが、妻葉子は全てを知っていた。
 真実の愛とは何か、生きる情熱とはなにか、考えさせられる小説です。

theme : 本の紹介
genre : 小説・文学

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