フィツジェラルド 『グレート・ギャツビー』 新潮文庫
★★★★☆ 東部から西部へとやってきた語り手は、毎晩、豪勢なパーティを催す隣人ギャツビーと知り合う。一方、語り手の親戚デイズィは、夫トムの浮気によって、憂鬱な結婚生活を送っている。そしてギャツビーの真意が、かつての恋人デイズィを奪い返そうというものであることが判明することで物語は、急展開を迎える。一度は、ギャツビーとの駆け落ちを考えながら、事態が悪化すると途端に彼を見捨てたディズィやトムの態度を見て、語り手は「彼らは不注意な人間なのだ」ともらす。この言葉には、情熱に生きながら、現実を軽くみたギャツビー自身も含まれているのだろうか。
スポンサーサイト