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ドストエフスキー 『白痴 下』 新潮文庫

★★★★☆
 ナスターシャは、ムイシュキンに惹かれながらも、彼とは正反対の性質を持つ、粗暴で利己的なロゴージンと各地を転々とする。
 ついにムイシュキン公爵と再会したナスターシャは、彼と結婚をする決意をする。しかし、ナターシャは結婚前夜にロゴージンによって連れ去れれ、殺害されてしまう。ナターシャの亡骸を前に、立ち尽くす、ロゴージンとムイシュキンの姿は印象的である。彼女の死によって発狂したムイシュキン公爵は、元の精神病院に戻ることとなる。
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ドストエフスキー 『白痴 上』 新潮文庫

★★★★☆
 ドストエフスキーの「無条件に美しい人間」を描きたいという願いが生み出したムイシュキン公爵は、俗世間から離れた場所で育ったが故に、悲劇的な運命を辿る。彼の純粋さを受け入れることが出来ない人々にとって、彼は「白痴」と呼ばれるにふさわしい存在である。自らの不運によって、自暴自棄で、自堕落な生活を送るナスターシャは、ムイシュキンの彼女に対する愛を、憐れみから来るものに過ぎないと考え、結婚を約束しながらも突然、彼のもとから姿を消す。

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ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 下』 新潮文庫

★★★★★
 フョードル殺害の疑いで、逮捕されたドミートリイの裁判が始まる。裁判の鍵を握るフョードルの私生児スメルジャコフが自殺したことにより、事件は意外にも迷宮入りとなるが、この展開は、この作品全体に渡って語られていた、神の喪失を象徴するものだろう。
 しかし、一つの信仰の可能性として、イリューシャという無垢な子供の魂とその死、それに対して真摯な祈りを捧げるアリョーシャの姿が最後を飾っているのは、ドストエフスキーなりの新しい信仰への希望を描いたものとも言えるのではないだろうか。

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ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 中』 新潮文庫

★★★★★
 信仰の道の為に、俗世の道を学ぶことの必要性をアリョーシャに説き、彼の信仰の目標であったゾシマ長老が死去する。そして信仰の篤い長老の遺体から、聖者の場合には起こらないはずの、腐臭が発生する。このモチーフは、一体何を意味するのだろうか。
 長老の信仰が、彼自身も気づいていないながらも、独善的なものであったという解釈や聖人信仰に対する批判と皮肉という解釈も可能であるが、ドストエフスキーの作品に、しばしば見られる人格の二面性やそれが生み出す複雑な人間像は、現実の人間のもつ不可視な部分をよくあらわしているだろう。

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ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 上』 新潮文庫 

★★★★★
 情欲と金銭欲の塊のようなフィヨードル・カラマーゾフとその血を引く、軍人あがりの放蕩息子ドミートリイ、冷徹な理性と無神論に生きるイワン、修道僧を目指しながらも神と人間の問題に常に悩み続けるアリョーシャを中心に、物語は展開する。
 「上巻」においては、多くの人間の生活の為に、教会の権威による信仰を維持しようとする大審問官が、少数の人間の自由の為に新しい信仰を説こうと再来したイエス・キリストを裁く、「大審問官」の章が大変印象的である。「人類を愛していると言う人は、ときに身近な一人の人間を愛していない」というイワンの独特な信仰思想が展開されている。

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コンスタン 『アドルフ』 新潮文庫

★★★★★
 主人公アドルフは、自らの空虚さを埋めるために、伯爵の愛人エレノールを誘惑し、自らのものにする。しかし彼女の愛情が本物であるが故に、アドルフは彼女を捨て、エレノールは絶望のうちに死ぬこととなる。 
 末尾に載せられた、「アドルフがその性格の罪を、その性格そのものによって罰せられたということ、彼が何一つ決まった道も辿らず、何一つ役にたつ職につかなかったということ、ただ気まぐれに導かれ、焦燥をただ一つの力としてせっかくの才能をすり減らしてしまったということは、私にも推測できたでありましょう。」という一文は、印象的である。アドルフはエレノールへの軽薄さと裏切りによって、自らのその後の人生を、裁かれたのだろう。

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ギ・ド・モーパッサン 『脂肪の塊・テリエ館』 新潮文庫

★★★★☆
 ドイツ占領下のフランスで、ルーアンからル・アーブルへと向かう馬車の中、「脂肪の塊」という渾名をもつ娼婦ブール・ド・スイフは、自らを蔑むブルジョワ階級の同乗者達に、昼食をふるまう。しかし、ドイツ将校が、彼女との関係を条件に関所通行を許可すると聞いた瞬間、彼らは彼女を貶める策略を練り始める。
 自らの愛国心の為に、関係を拒むブール・ド・スイフと見せかけの愛国心を振りかざしながら、利己的な動機によってしか行動しない、ブルジョワ階級の人々の対照的な姿が印象に残る。
 同じく娼婦を題材にした「テリエ館」が収録されている。

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ジッド 『田園交響楽』 新潮文庫

★★★★☆
 牧師である主人公が、身寄りのない盲目の娘ジェルトリュードを引き取り、彼女は手術によって視力を取り戻す。しかし、その直後、彼女は自ら命を絶ってしまう。
 主人公の妻が、当初から夫に対して抱いていた不安は、牧師自身が自らの信仰の影に、若い女に対する情愛を隠しているという欺瞞を暗示している。ジェルトリュードは、本当に自分が愛していた人間が牧師ではなく、その息子であるジャックであると気づいた後に自殺する。
 キリスト教信仰が欺瞞へと陥る危険性を、象徴的に描いたジッドの一作。

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吉本ばなな 『キッチン』 角川文庫

★★★★☆
 表題作「キッチン」、その続編である「キッチン2」、そして「ムーライト・シャドウ」の三篇がおさめられている。これらの作品に共通するテーマは、身近な人間の死とそれを主人公が、克服していく過程だと言える。しかし、克服のきっかけが大変独特である。「キッチン」のえり子、「ムーンライト・シャドウ」の柊は、共に主人公と同じく、身近な人間を失った人間である。しかし、彼らは失った存在を忘れない為か、女装を続けるというユニークなキャラクターである。そして、もう一つ忘れてはいけないのは「食べ物」の存在だろう。「食べ物」を通して、主人公は新しい人間と新しい関係を築き、立ち直っていく。これらの一見、独特な登場者達は、読み終えてみると、不思議な親しみを感じさせる。

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オルダス・ハックスリー 『すばらしい新世界』 講談社

★★★★★
 人工授精、知能・精神状態の操作、社会的身分など、人間の全てが管理される社会の怖さを描いた小説。
 逆ユートピア小説としての魅力もさることながら作中に登場するフォード暦は、何か今のアメリカを中心とする先進国の病的な状況を暗示させるものがあります。

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