哲学がなぜ必要か?
今日は、現代において哲学がなぜ必要なのかについて少し書いてみたいと思う。現代文明は科学文明とも言われるが、科学がここまで人々の生活に無くてはならない物となると、哲学は無用なのでは無いかと考える人がいるのも無理は無い。しかし、科学はあくまでも事実に関する判断に他ならず、科学によって価値判断を行うことは出来ないのでは無いだろうか。
アインシュタインの相対性理論は、その理論が実証されることによって、宇宙物理学を始め、現代科学の大きな発展に貢献する事となったが、原子爆弾のように、かつては神話の世界にしか存在しなかったような、全人類が絶滅の危機に瀕するような兵器が作り出される元ともなった。
このような歴史の流れを見たとき、科学は決してその本質において、科学自体から価値を導き出せないような性質を持っていると言えるのだろう。もちろん現実的な認識に基づく価値判断を行うためには、科学的知識は不可欠であり、その意味では、哲学と科学は相互補完的な関係にあると言えるだろう。
哲学の無い科学は単なる暴走に過ぎず、科学的認識を欠いた哲学は妄想に過ぎないのだろう。