【映画】『危険なメソッド』監督 : デヴィッド・クローネンバーグ
三人のドラマを描く……というわけなんだけれども。
まず特筆すべきはキーラ・ナイトレイの熱演。
あごを突き出し、精神に傷を抱えたマゾヒスト女性というとても難しい役どころを、いきいきと演じている。
演技が光るといえば、短い出演時間の中で余すところなく変態性を発揮するヴァンサン・カッセル。
もはや変態演技匠の技。彼は期待を裏切らない。
が、しかし!
ストーリーは尻切れ蜻蛉というか、あまりすっきりしない終わり方の気がするかもしれない。
それはザビーナ・シュピールライン嬢とユングの関係に注目しているからなんだよ!
これはフロイトとユングの決裂を描いた作品なんだよ!
まあ、出演時間はザビーネが圧倒的にフロイトより長いからね。
わかりにくいのも仕方ないね……。
初対面で13時間ぶっ通して語り合い、王と皇太子として語り合ったフロイトとユングが、些細なすれ違いで決裂してゆき、ザビーネは巻き込まれ事故なんですよ。
クローネンバーグ監督の『イースタン・プロミス』では、ヴィゴ演じる主役に惚れていると思われるヤクザのドラ息子(ヴァンサン・カッセル)が、主役に「俺の目の前でスケ抱いてみろや」とけしかけ、舐め回すように視姦する場面がある……娼婦ではなく、男を。
要するにヤクザ息子は主人公が好きで抱かれたいのだが、それはできないからせめてヴァーチャル体験しているように見える。
それと同じ、女を媒介したやおいを本作のフロイトとユングにも感じるわけで。
巻き込まれる女にすればなんでやねん!おまえら勝手にやれや!だろうなと。
クローネンバーグ監督は『ヒストリー・オブ・バイオレンス』からずっとヴィゴを追う目線にエロスを感じるわけで、本作は老けメイクのフロイトだからと油断していると、どっこいまたもエロかった、という。
本作はそこのところに気づけるかどうかだと思うのだ。
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